自己の不在化

写真:自己の不在化

【自己の不在化】
この作品は鑑賞者自身が主体となるインスタレーションである。
わたしが生きているのは、すべてが作りもので、完璧な管理のもとに操作された世界だと幼い頃から思っていた。大きな舞台装置の中にいることを知らされないまま生活し、365日24時間の「私」の行動が放映されている。「私」以外の人間はみなキャストであり、観客である。これはただの作り話ではなく、普段何気なくテレビやtwitter、facebookなどのSNSを視聴する私たちの話しである。わたしにとって、「曖昧さ、生々しさと無機質」や「人の痕跡、存在感」「間、空間」「一定間隔の点とその集合」は制作の重要な要素である。関心事の共通項として、視聴者と特定他者の存在が関係していた。視聴者と特定他者は、見る・見られるの関係にあるが、それは触れることも感じることもなく視認するのみで、無関心且つ主観性のないものである。そこには軽薄さの内に静かな暴力性を含めていると考える。冒頭にも記したように今回の作品で主体となるのは鑑賞者自身である。作品を見た鑑賞者が「特定他者を消費する視聴者のひとりである」ことと、その生態に「軽薄さと静かな暴力性を内包している」ことの認知をねらいとする。

●会場:市民交流センター 1F 第一会議室
●展示期間:9/20(土)~21(日)
●展示時間:12:00〜18:00

 

写真:秋田菜摘

作者:秋田菜摘

プロフィール
1991年岡山県生まれ。日本大学芸術学部デザイン学科卒業。東京都在住。
「逗子メディアアートフェスティバル2012」で〈音℃〉を発表、展示
日本大学芸術学部江古田校舎内ギャラリーで行われた「日藝アーティストmeet逗子」で〈音℃〉を展示。デザイン学科コミュニケーションデザイン展「ぎゅっと展」で〈意識の立体図〉を発表、展示。日本大学芸術学部デザイン学科卒業制作展で〈自己の不在化〉を発表、展示。
http://akita3105.tumblr.com/

 

 

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